2020年総括(音楽)

今年はジャンル別にベスト作品を挙げる等して総括していこうと思っていましたが上半期の書籍分を書いてから滞留させていたうえ7月から日ごとのブログをつけ始めて根本的な形態が崩れてしまったので負担にならないような形で適当にまとめたいと思います…

 

いいね! - サニーデイ・サービス

 

春先に一番聴いていたと思います。前作までの混沌から抜け出てシンプルに良い曲が詰め込まれたアルバムとまとめられそうですがどこかフィクショナルな歌詞や何となく切迫した雰囲気が異質な気がします

 

おれは錯乱前戦だ!! - 錯乱前戦

打ち出し方を含めてオールドスクールなロックンロール志向の邦バンドは結構いますがこのバンドはセンスが突出してると思うし聴かせ所を分かっている感じがあり好きです

 

絶対大丈夫 - 横沢俊一郎

このまま素晴らしい宅録密室ポップを作り続けてほしいです。コロナで機会が遠のいてしまいましたがいつかバンド編成のライブも観たいですね

 

LOCK DOWN - Have a Nice Day!

ディストピアと化した2020年の市街でハバナイを聴くのは趣深かったです

 

Patrick Vegee - UNISON SQUARE GARDEN

ニゾンは割とアニソンを聴く延長の感覚で聴いていましたがライブを観て以降は身体能力が非常に高いロックバンドとしての側面に気付けました。"JET CO."とB面集も聴き込んでいました

 

ZOZQ - 髭(HiGE)

何故か今年は髭をめちゃくちゃ聴いていました。サウンドもですが皮肉と自虐と無意味を行き来する歌詞が唯一無二だと思います

 

turn over? - Mr.Children

アルバム買ってるけどまだ聴き込んでないので…サビのパーカッションやあっさりしたアレンジがあからさまに小林武史期やセルフプロデュース初期と違っていて新鮮に映りました。歌詞もメロディも桜井らしい佳曲でよく聴きました

 

FAN - group_inou

特異な気怠さと聴き手に特定の感情を押し付けない感じが良かったです

 

L.D.K. Lounge Designers Killer - Capsule

サブスク解禁に合わせて今更ながら聴いたけどこれが一番好きでした。Perfumeも少しずつ聴いていきます

 

Mars Audiac Quintet - Stereolab

ステレオラブはいつ何を聴いても心地良いです。チケ取ってたライブが延期になったのが悔やまれます

 

The Sun Rises In The East - Jeru The Damaja

DJプレミア、好きだ……

 

Blur 21 : The Box - Blur

突然思い立って買いましたがよく聴いていました。ブラーのB面曲はオアシスのそれと違って露骨に地味だったり力の抜けた曲が割とありますが、かえってその当時のバンドの空気を反映していて愛着を持ったりします

 

Untrue - Burial

恥ずかしながらエレクトロニカ〜テクノは未だなかなか嵌りきれる作品が少ないのですが、マークフィッシャーの著作で興味を持ったこれは静的ながら独特な高揚感がありめちゃくちゃ聴きました

 

A Quick One - The Who

本格的にロックオペラをやり出す前のポップで気色悪いフーが詰まっていて今更よく聴いてました

 

DREAMY-LOGUE - DIALOGUE+

渋谷系風な"トークトークトーク!"や"パジャマdeパーティー"には悔しいけど抗えないな…と思います

 

Hurry Love / 恋と呼ぶには - 和氣あず未

5月頃のなんちゃってテレワークをやってた時期に昼飯を買いに出かけながら聴いてたのを思い出します

 

それゆけ!学級委員長 - 月ノ美兎

ササキトモコ先生の的確な仕事ぶりには頭が下がります。委員長の歌唱も好きです

 

Hyper Bass (feat. Yunomi) - 桜乃美々兎 (CV: 小坂井祐莉絵)、水上 雛 (CV: 大森日雅)、犬吠埼紫杏 (CV: 長谷川玲奈)

電音部関連で一番聴きました

 

ロービットファンタジー / 星宮とと+Kijibato

MVも大変良かったです。声が良い

 

ツナガルコネクト - 天王寺璃奈 (CV.田中ちえ美)

璃奈ちゃんボード "巨大なLOVE"

 

2020年上半期(本)

書き方のスタイルを考えあぐねている内に今年も半分過ぎてしまったので備忘録として(既に忘れかけてるけど)適当にまとめたいと思います

 

・掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集 / ルシア・ベルリン

 

 

初の邦訳作品集との事。自身の人生を反映させた苛烈かつ鮮烈な話をどこか軽妙に展開していくのが印象的。"いいと悪い"の何とも言い難い苦々しさが良かった

 

リンカーンとさまよえる霊魂たち / ジョージ・ソーンダーズ

 

リンカーンとさまよえる霊魂たち

リンカーンとさまよえる霊魂たち

 

 

奇妙なストーリー設定と文献等からの引用という体裁が取られた文体、ユーモラスというより滑稽だけど何か物悲しくそのうえ面食らうくらいストレートなヒューマニズムが同居している独特な読み心地の作品でかなり良かった。同作者の「十二月の十日」も市井の人々の人生に生じた妙な捻れを描いた短編が多く面白かった

 

・楽しい夜 / 岸本佐知子

 

楽しい夜

楽しい夜

  • 発売日: 2016/02/25
  • メディア: 単行本
 

 

上記作家の作品も含む海外小説アンソロジー。どれも好みの作品で良かったけど個人的には冒頭何の説明もなくボブ・ディランを連れて帰省する(その後も意味なく居座り続ける)妹と兄の重なり合わない心の交流を描くマリー=ヘレン・ベルティーノ"ノース・オブ"が不条理ながらビターな味わいがあり白眉だった

 

ジーザス・サン / デニス・ジョンソン

 

ジーザス・サン (エクス・リブリス)

ジーザス・サン (エクス・リブリス)

 

 

去年からぼちぼち読んでるブコウスキーも同じだけど堕落した生活の中に垣間見える美しさや固有の人生哲学を表現した作品が好きだなと再確認できた

 

・資本主義リアリズム / マーク・フィッシャー

 

資本主義リアリズム

資本主義リアリズム

 

 

ほぼ表紙につられて買った感じだったけど現状に対するアジテートがある種の熱さを感じさせるのが印象的だった(著者の最期を考えると何とも言えない気持ちになるが…)。同著者の"わが人生の幽霊たち"はやや難解かつ抽象的でとっつきづらかったけどBurialを(今更)聴き始めるきっかけになり良かった

 

・ジャングル・クルーズにうってつけの日ヴェトナム戦争の文化とイメージ / 生井英考

 

 

表題通りヴェトナム戦争アメリカに焼きつけたものをカルチャーから世間におけるイメージまで踏まえ多岐に渡り検証するもので、あらゆる文献を参照した内容の充実ぶりや海外文学翻訳風のクールな文体に痺れた

 

・生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミストシオランの思想 / 大谷崇

 

 

シオランについて客観的かつユーモアも交えつつ紹介するのが面白かった。五十嵐たかしくんの歌詞もそうだと思うけどネガティヴながら優れた表現には一方的なナルシズムに陥らないようなしょうもないユーモアを含むものが多いように感じる(この両者を比べるのもどうかとは思うけれど…)

 

思い出して文章にするのがマジでしんどいのでやっぱり読んだ直後の勢いで感想を残しておくのが良いですね…

2019年9月〜12月(2)

放置していたら記憶もおぼろげになってしまったので手短にまとめます

 

○イベント

・9/29 ル美子さん オータムクリアランスフェスタ2019 @浅草橋ヒューリックホール

1部は青木瑠璃子さんのスマートな場回しに圧倒され2部は今井麻夏さんのインターネット上には出てこないリアリティ溢れる話でクソ笑いました

 

・10/5 「Machicoのあそんでつくろ!」あそつくSHOW Vol.1 @YMCAアジア青少年センター

生で見る阿部里果さんが麗しかった事と当日行われたクライマックスシリーズ秋葉原のHUBで観たり声優さんに影響を受けダーツをやった事を思い出します

 

 

○ライブ

・9/22 京都音楽博覧会 in 梅小路公園 2019

個人的にはとにかくナンバーガールに尽きるというか"鉄風 鋭くなって"のイントロを聴いた瞬間や"OMOIDE IN MY HEAD"の顔を歪めたシャウトとひさ子のギターソロに号泣した事とかがかなり思い出深いライブです。開幕1発目の1曲目で"Songbirds"を演ったHomecomingsも忘れ難いです

 

・10/17 the pillows 30th Anniversary Thank you, my highlight vol.05 "LOSTMAN GO TO YOKOHAMA ARENA" @横浜アリーナ

バンドと客の熱やアニバーサリー感と独特の緊張感が合わさり終わらないパーティーのような本当に良いライブでした。30歳間近に聴く"ストレンジカメレオン"が10代の頃と違う形で琴線に触れたり孤独や疎外感が前面に出た昔の曲と"ニンゲンドモ"のような最近の曲が混ざり合うのが30年を感じさせるなど感慨にふける場面が多くありました

 

・11/14 「CONFUSED!」単行本リリース記念パーティ「BAD TUNING」Homecomings × シャムキャッツ @TSUTAYA O-nest

Homecomingsは小さい箱でバンドスタイルで観るのが映えるなと思いました

 

・11/24 lyrical school Tour2019 BE KIND REWIND SERIES @よみうりランド日テレらんらんホール

緩急なくひたすら上がりまくるライブで最高でした。VJで投影されてた"LAST DANCE"のMVがマジで良かったです。よみうりランドのグイグイ上昇するロープウェーとイルミネーションも印象的でした

 

・11/29 Stephen Malkmus @渋谷 STREAM HALL

顔の良いおっさんが笑顔で飲酒しながら適当に弾き語ったりカラオケしたりするのを観続けこういうのもあるのか…と思いました

 

・12/13 シャムキャッツ デビュー10周年記念公演「Live at Studio Coast」@新木場STUDIO COAST

バンドの歴史を総括するかのようなスケールの大きいライブで良かったです

 

・12/15 NUMBER GIRL TOUR 2019-2020「逆噴射バンド」@豊洲PIT

9月に続き運良くワンマンを観られましたが向井の声も演奏も更に良くなっておりノスタルジーや記念としてでなくナンバーガールのライブを観られたという実感を得られました。これ以前と以降でナンバーガールの聴こえ方も違ってくるようになり割とエポックな経験になったと思います

 

・12/26 FINAL SPANK HAPPY mint exorcist TOUR (post-release) @東京 WWW X

最早パフォーマンスも板についてきたというか安定感すらあるライブで、2人共とにかく楽しそうに演ってたのが何よりも良かったです

 

3〜4ヶ月ごとにまとめるのが心理的負担になってきましたが触れた作品や行ったライブとかは何らかの形で文章として残しておかないとという気持ちは日々強まっているので2020年分からは形式を模索しようと思います

2019年9月〜12月(1)

書くのをサボっていたら4ヶ月分になり収拾がつかなくなってしまいました

 

〇音楽

・はなたば / シャムキャッツ (2019)

王舟をプロデューサーに迎えたEPで全体としては落ち着いた雰囲気で多彩な曲群をまとめた感じになっていますが、ライブでは初期を思わせるアグレッシブな感触があり良かったです。個人的にはMV含めて菅原曲”我来了”がベストで、彼の曲がバンドで占めるポジションの変化を感じたりしてそういう意味でも面白いなと思います

 

・HASHIKE LIVE AT O-NEST 2019 / シャムキャッツ (2019)

今年8月21日開催の1stアルバム”はしけ”再現ライブの録音盤ですが、クリアな音質で安定と破綻を行き来するスリリングな演奏とMCを楽しむことができかなり良いです

 

・mint exorcist / FINAL SPANK HAPPY

2018年の"夏の天才"から1年以上経ちリリースされた1stで、各種媒体で主張しているように2期スパンクス的毒気はなく戸惑いを感じるほどあっさりしつつポップスとして開かれた作品になっています。個人的に2期スパンクスについては性的倒錯とか岩澤瞳と菊地成孔の関係性等よりも、どちらかと言えばアルバム"COMPUTER HOUSE OF MODE"の80年代への憧憬や捻くれつつ純粋な歌詞を乗せたキラキラしたエレポップ部分を偏愛しており、そういう意味では今作では"NICE CUT"や"tO→Kio"、"ヒコーキ"辺りがベストトラックという感じでした。ライブもそうですが現スパンクスは最近になり今までに無いキモさが表出してる感があるのでその方向性のさらなる展開も期待しています

 

・BE KIND REWIND / lyrical school (2019)

リリックのカルチャー引用のセンスが好きです。"Over Dubbing"~"LOVE TOGETHER RAP"までの怒涛の流れと名画のパロディで構成されたMVがとにかく好きな"LAST DANCE"辺りが好みです

 

・エアにに / 長谷川白紙 (2019)

君島大空に続いて何度も引き合いに出すのも気が引けますが、やっぱり初期七尾旅人を思い出させるジャズを基調としたアバンギャルドなアレンジにポップスと青さを折衷させた感触が個人的な好みとして抗えない感じです

 

・未来で笑っているために / car10 (2019)

前作まで残っていたパンキッシュでひしゃげた疾走感と英詞が完全に無くなりよれた歌声とヘロヘロなメロディが印象深いギターロックとなりましたが、それゆえにどこか力の抜けた感覚が心地よく何回も聴くことで徐々に染み込むのが良いです

 

・これがブッダブランド! / BUDDHA BRAND (2019)

2019年にブッダの新譜でブチ上がれるとは思っていなかったです。デミさんのヴァースが切れまくってる"PUNCH(仮)"と面食らうほど明るい"生きる"がフェイバリットです

 

・はじめてのかくめい! / DIALOGUE+ (2019)

田淵智也さんにはこれからも素敵な楽曲を作り続けてほしいです

 

・シブヤROCKTRANSFORMED状態 / NUMBER GIRL (1999)

ナンバガは元々それなりに聴いておりつつも「ナンバガを聴く」という事に謎の自意識を感じ続け苦しんでいましたが、今年のライブを経てフラットに好きになることができこういう経験もあるんだね~と思いました(単に今まで惰性で聴き込んでなかったせいだという気もしますが…)。SUPER YOUNG間奏の向井の語りはいつも目頭が熱くなります

 

・The Life Pursuit / Belle and Sebastian (2006)

ベルセバは安定して良作を出し続けるバンドという曖昧な認識があったため積極的に手を出せずにおり今作も映画「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」視聴を機に聴いた感じでしたが、他の60年代ギターポップ〜ソフトロック等を出自とするバンドにあまり見られないウェルメイドな手触りやソングライティング力の強さが感じられ良かったです

 

 ・The Cigavettes / The Cigavettes (2011)

リリース当時は(シーンへのカウンターとしての)某音楽ライター大推薦バンドという印象が強すぎましたが今聴くと良質なメロディやコーラスとスムースなボーカルを普通に楽しめて良いです

 

・Rank / The Smiths (1988)

スタジオ音源と異なる性急で激しい演奏に乗ってモリッシーが吠えるのがスリリングで本当に良いです

 

・REAL / L'Arc〜en〜Ciel (2000)

強烈なサビと軽量な演奏のマッチングが良い"NEO UNIVERSE"、甘いメロディに90年代UKギターロック風アレンジと謎シニカルな歌詞が合わさった"bravery"、Oasisの"Fade Away"そのままな"STAY AWAY"など聴きどころが多く、また休止直前だったからなのか前作までの耽美的な雰囲気が薄れ個人的に良くも悪くも取っ付きやすく感じるため頻繁にリピートしています

 

・すとーりーず/ ZAZEN BOYS (2012)

何となく聴かずにいましたが溜めと解放を執拗に繰り返すリズム隊とナンバーガール時代の詩情から新しいステージに移ったように感じる(7年前の話ですが)向井のアジテーションじみた歌に快楽中枢を刺激され良いです

 

 

〇小説

・死をポケットに入れて / チャールズ・ブコウスキー

下世話で捨て鉢な文章ながらその中に見え隠れする主観と客観が入り混じった冷静な視点(吾妻ひでおのホームレス~アル中時代を描いた作品群を思い出しました)や美しい表現が良いです

 

 

〇漫画

・CONFUSED! / 福富優樹・サヌキナオヤ

エイドリアン・トミネを想起させる日常に寄り添った苦味のあるストーリーとシンプルでポップな絵柄にグラフィックノベルへの愛情を感じられて良かったです

 

・キリング・アンド・ダイング / エイドリアン・トミネ

「サマーブロンド」より絵も物語の切り口もさらに洗練されており心に来るものがありました。何とも言えない暗さや苦みが心に引っかかるのが好きです

 

・「スコット・ピルグリム」シリーズ / ブライアン・リー・オマリー

黒田硫黄にも影響を受けているらしいアグレッシブでデフォルメが効いた絵でこれだけキュートかつ色気があるのが凄いと思いました。ハチャメチャ気味な割に所々リアリティが滲むストーリーも良かったです

 

・青い薬 / フレデリック・ペータース

エイズを取り扱った自伝的内容にも関わらず極度に湿っぽかったり感情的にならず、筆者自身の哲学的・文学的な思考と世俗的な感覚の間を行き交いながら家族で生活していこうとする様の描写が素晴らしかったです

 

2019年7〜8月

○音楽

・散瞳/花曇 / 君島大空

"散瞳"は音数が増えコンパクトになった分ポップソングとしての輪郭が強まった感があり、何度も引き合いに出すのは微妙な気もしますが"エンゼルコール"を出した頃の七尾旅人にリアルタイムで接している感覚があります。早くライブを観てみたいですね

 

・Bestival Live 2011 / The Cure

普段イギリス人を名乗っている割にキュアーは聴き込めていなかったのですが、たまたま観たフジロック配信でのアクトが大変良かったので近年のライブ音源として勧められてたこれを聴いていました。ツイッターでも触れられてましたが揺るぎない演奏と過去の音源で聴いていたそのままのロバート・スミスのボーカルに圧倒されつつ、これまであまり感じていなかった曲の多彩さも実感できました。ロバスミの子供っぽい奇矯な振る舞いも良かったです

 

・PopSkip / 伊藤美来

声優さんのアルバムでこれだけ聴き返したのも久しぶりかもしれないです。序盤3曲の流れと"土曜のルール"が良いです

 

・ループスライダー / 真心ブラザーズ

めちゃくちゃ聴いてました。夏だったので…

 

振り返ると全然音楽を聴いてない感じだったので精進しようと思いました

 

 

○本

・時間のないホテル / ウィル・ワイルズ

ホテル内で繰り返されるサービスの執拗な描写とそれを快楽として楽しむ主人公がマジで最高でした

 

・あなたは、なぜ、つながれないのか ラポールと身体知 / 高石宏輔

30近くなっても未だに日常の些細なコミュニケーションで苦心している人間としては気づきを得られる点が多く良かったです。会話の際に自分が感じた心情を身体的な感覚に繋げるのは実感として身につけていきたいと思いました

 

 

○漫画

海外のコミックを読むようになりました

・スピン / ティリー・ウォルデン

人生の細やかな場面とそれに紐付けられた心情の描写がとにかく繊細で良かったです。いじめや挫折など扱う内容は重いのですが読んでて胃が落ちこむような感覚はなく全体的に暗くも乾いたタッチで描いているのが良いです。日本の漫画にもかなり影響を受けているそうですがアメリカのコミック文化との混ざり具合がどのように作品上に表れているかもっと読み解いていきたいと思いました

 

アメリカン・スプレンダー / ハービー・ピーカー

ハービー自身の日常をモデルにロバート・クラム他が漫画化したもので、退屈な下っ端仕事を続けながら女と付き合ったり別れたりしつつ評論を執筆する冴えない日常を延々描いており、諦念や卑屈さを滲ませつつ怒りや創作へのプライドを所々に感じさせるのが良いです。これもやや気は滅入りますが湿った感じがしないのが良いですね

 

 

○イベント

Tokyo 7th シスターズ 5th Anniversary Live -SEASONS OF LOVE- in Makuhari Messe @幕張メッセ 国際展示場9-11ホール 2019.7.13-14

フォロワーにチケットを連番させて頂き参加しました。1日目はマジのステージ最前列で、客入れBGMでブチ上がりつつも正直全く気持ちを整理できないままライブに突入する状況でしたがマジで良かったです。ナナシスはライブ自体は昨年7月の武道館公演が初参加でエピソードを読んだり読まなかったり(EPISODE4.0は読みました)という微妙な距離感で接していましたが、そういう物語性を完全に踏まえずとも武道館公演とはまた違う強い満足感がありました(流石にLe☆S☆Caの時は来るものがありましたが…)。前方のステージにはあまり演者が立たなかったため恩恵はそれほど受けられませんでした。終了後は飲み屋に集合し全く関係ない話題で騒いだり(楽しかったです)帰りのタクシーに乗れなかったりしました

2日目は中央の席で、見えやすい席ではありませんでしたが定期的に声優さんを乗せたトロッコが近くを通るのでその度めちゃくちゃに光を放ってしまいました。終了後は飲み屋に集合し解散後カラオケに行きました。途中から全員疲れて本人映像鑑賞大会になりましたが楽しかったです

 

・「藤井・渡部のいっちょかめ!」2ndイベント 昼の部 @なかのZERO 小ホール 2019.7.6

チケットを譲って頂き参加しました。渡部優衣さんのスタイルの良さとか藤井ゆきよさんのやさぐれ具合も大変良かったのですが至近距離で拝見する駒形友梨さんが目に焼き付いて離れませんでした

 

THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019 GRATEFUL SPOONFUL @さいたまスーパーアリーナ 2019.7.6

いっちょかめ後そのままSSAに直行しました。イエローモンキーは中高生の頃夢中で聴いておりかなり思い入れも強いのですが正直駒形友梨さんの事しか頭に残っていなかったのでやや混乱していました…ライブ自体は現役感に溢れていたため冷静に良いライブとして接する事ができました。ステージに寝転がりながら歌う吉井和哉にはロックスターだね…という気持ちにさせられました

 

シャムキャッツ 1st Album「はしけ」再現ライブ @渋谷O-nest 2019.8.21

1stの再現ライブでしたがアグレッシブかつやんちゃな側面を十分すぎるくらい味わうことができ本当に良かったです。夏目がマイク片手に危なっかしいアクションをするのがマジで魅力的でした

 

 

○その他

・川

多摩川で音楽を流しながら飲酒し花火を行いました。クソ楽しかったです

 

・絵

精進したいです

 

 

 

 

 

2019年5〜6月

〇音楽

・或いはアナーキー / BUCK-TICK (2014)

ニューウェーブと昭和アイドル歌謡とゴスとエレクトロポップを混ぜてドスの効いたボーカルと絶妙にズレた感覚でまとめた音楽という感じでめちゃくちゃ良いです

 

・WELCOME PLASTICS / PLASTICS (1980)

チープかつセンス一発な音楽ゆえに時代を感じさせず何度も聴きました

 

Bleach / Nirvana (1989)

ひねたコード進行が気持ち良かったりどれだけハードな曲をやっても何か卑屈でポップに感じるのが良いですね、いつもの事ながら今更こんな言及する必要あるか?という感じですが…

 

 

〇ライブ

The Jesus And Mary Chain JAPAN TOUR 2019@新木場STUDIO COAST 2019.5.19

彼らの"Psychocandy"は10代の僕があらん限りの自意識や救済を託して聴いていたアルバムなのでこのライブで自分の思春期に片をつけられるのでは、でもチケ代の半分の額で女性声優さんを観に行った方が良かったのでは…など色々思いながら行きましたが、演奏も歌も安定したシンプルに良いロックバンドという趣で楽しめました。ウィリアムがフィードバックノイズを鳴らす瞬間は理屈じゃなく興奮してしまいましたが…引き延ばされてクラウトロックじみた様相を呈していた"Reverence"が良かったです

 

cero Oneman Live "別天"@渋谷NHK Hall 2019.5.24

平日開催で退勤が遅れたため最初何曲か観られませんでしたが、代表曲ポジションすぎて特に目を向けていなかった"Summer Soul"の良さに改めて気付いたりできたので良かったです。"Orphans"の"あぁ 神様の…"のくだりは心に来ました

 

BUCK-TICK Live 2019 "ロクス・ソルスの獣たち"@幕張メッセ 2019.5.25

大御所ポジションながらスタジアムロック的な貫禄が無く、余裕と危なげが共存してるのが最高でした。全ての要素が普通から少しずつズレており総合して奇妙な良さがあるみたいなライブで、今井のとにかく変な音を出したいという気持ちしか感じられないギターも良かったです

 

・CLUB Que 25周年記念イベント「カーネーション × 高橋徹也」@下北沢CLUB Que 2019.5.30

また退勤が遅れたせいで高橋徹也は前半が聴けませんでしたが、線が細そうという予想に反し骨太な演奏と力強いボーカルに圧倒されました。カーネーションは相変わらず枯れた感じが無く、江戸川の近くに越してから初めて観た"Edo River"には割と感極まる思いでした。アンコールでは両者に共通するワードとして"郊外"を挙げながら"いつかここで会いましょう"をプレイしていましたが、歌詞の"高圧鉄塔の向こうへ"の所で高橋氏が嬉しそうにステージからフロアの向こう側を指差していたのが印象的でした

 

・FINAL SPANK HAPPY mint exorcist tour (pre-release)@代官山UNIT 2019.5.31

スパンクスを観るのは去年から数えると3回目で、パフォーマンスも板に付いてきており以前は無かった独特のキモさも表出し始めてる感じでした。未だにリリースされていない新曲群やラストのけもののカバー"tO→Kio"("真夜中はちょっと怖いから何かを考えなくちゃ"でウッ…となりました)は素晴らしかったので早く音源を出してほしいです

 

・Anniversary Live ランティス祭り2019 A・R・I・G・A・T・O ANISONG DAY3@幕張メッセ 国際展示場9-11ホール 2019.6.23

ミリオンスターズと上田麗奈さんについてはわざわざ言及するまでもなく良かったのですが、スフィアが素晴らしいステージ後にJAM Projectとコラボし浅間山荘を破壊する鉄球のようなパフォーマンスを披露したのはマジで強烈でした

 

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 6thLIVE TOUR UNI-ON@IR!!!! 福岡 Fairy STATION DAY1 (ライブビューイング) 2019.6.29

仙台・神戸公演は参加できずアイマス関連のライブとしても去年のデレ6th名古屋公演以来となりましたがやはり各々のパフォーマンスの良さやデレとの毛色の違いをはっきり感じました。演者は中村温姫さん・戸田めぐみさん・EScape、曲はリアレンジ版"ART NEEDS HEART BEATS"が特に良かったです

 

 

〇演劇

・ロロ「はなればなれたち」@吉祥寺シアター 2019.6.22

登場人物の想像と事実、主観と客観、時間軸や場面がごちゃ混ぜになりながらポップに展開していく様が良かったです。劇中劇として上演されたブレイクビーツに乗せたラップみたいなのに圧倒されたのですが、ままごと「わが星」という作品だったようなのでチェックしようと思いました

 

 

〇本

・東京ミキサー計画:ハイレッド・センター直接行動の記録 / 赤瀬川原平

世間の常識を脱臼させるべくやりたい放題やりまくる活動が芸術と直結していた時代の幸福を感じました

 

・ぼくがとぶ

・やっぱりおおかみ / 佐々木マキ

佐々木マキの絵本方面の仕事をぼちぼち読むようになってきたのですが、言葉選びや題材に独特のペーソスと可愛さが共存していて大変良いです

 

・花の命はノー・フューチャー:DELUXE EDITION / ブレイディみかこ

生活と政治をスムーズに接続させていく書きぶりが本当に良かったです

 

 

〇その他

・野球を観ました。元々あまりスポーツ観戦に馴染みがなく野球も一昨年の日本シリーズをTVで観てたきりでしたが現地だと独特なテンションと緊張感があり実感を持って楽しめました。ZOZOマリンも家から近いので時間見て足を運ぼうと思います。もう間違えて相手側の外野席は買わないようにします

 

 

他にも色々あったと思うのですが細かく記録しておらず遡る気力も無くてまとめられなかったので今後はメモ代わりのような感覚でこまめに書いていきたいと思います

2019年4月

◯音楽

午後の反射光 / 君島大空

今のところ今年出た作品で一番聴いてます。弾き語りに無数の音を混ぜた混沌としたトラックの上でウィスパーボイスが美しいメロディーをなぞるのはどうしても1stアルバムの頃の七尾旅人を思い出してしまうのですが、「雨に撃たえば…!disc2」から20年(マジ?)経ってこの作品や崎山蒼志みたいな最初期の七尾を彷彿とさせる後続アーティストが表に出てきたのはちょっと面白い気がします

 

9999 / THE YELLOW MONKEY

再結成から発表まで3年かかっただけあり曲調もアレンジもバラバラで統一性は皆無ですが吉井のソロ+バンドみたいな付け焼き刃的な感触はなく地味ながらイエローモンキーらしいまとまりやユーモアがあり良かったです。"ロザーナ"は以前の彼らには無かった感触があり次作以降にも期待できそうな気がします

 

Send Away The Tigers / Manic Street Preachers (2007)

今更ですが…マニックスは力が入り過ぎて大作になりがちな印象が強いですがこれはドラマチックなメロディと良い歌唱をコンパクトに楽しむことができ思いの外あっさり聴ける良いアルバムだと思います

 

◯ライブ

シャムキャッツ Tour "Virgin Graffiti" @SHIBUYA O-EAST 2019.4.21

シャムキャッツは2015年に観た東名坂ツアー"素晴らしい日々"東京公演が個人的なベストライブで、それ以降はツアーのたびに観るようにしていましたが近年はアルバムの方向性ともども個人的に何となく乗り切れない感じがありました。今回のライブも前日に慌ててチケットを購入する位のモチベーションでしたが、まず全体的にとにかくバンドのテンションが高く、またドラムの抜けが非常に良くて最近の優しげなギターポップも躍動感溢れる仕上がりで気持ちが上がりました。"Virgin Graffiti"収録曲もアップテンポな曲は激しく、穏やかな曲はより精彩を放つようにプレイされ(これまで特に気に留めていなかった"おしえない!"が最高に良かった)、かなり充実感のあるライブだったと思います。前述の2015年のライブ時にも感じたのですが4人のバンドとして今をやっていくという明確なスタンスに勝手に励まされる思いがしました

 

◯その他

・GWに金沢へ行きました。主要なスポットを押さえつつ温泉に入るスタンダードな旅行で、感想としては美味しい料理は本当に美味しいという事を再確認できたのが一番良かった感じです。兼六園は人が多すぎて期待してた程チルできなかったのですが犀川〜寺町辺りは大変雰囲気が良く最高な気持ちになれました

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良き・リーベツァイト

・仕事がマジで辛いです。大声で罵倒してくる上司が異動し安心していましたがそれにより逆に自分のヤバさが露骨に剥き出しになってしまい困ったなという感じです。今後は強制的に会話力を上げるため社会人サークル的な寄り合いへの参加を検討しており"対等な人間関係"を模索していきたいと思います