2018年の音楽

今年特に印象深かった音楽です

 

〇新譜

Virgin Graffiti / シャムキャッツ 

アコギが核のギターポップ路線は以前から変わっていませんが妙に淡白だった前作とは違いアレンジの幅や歌ものとしてのはっきりした輪郭が戻った感じがあります。ハウス風味の"逃亡前夜"、民生〜くるりラインの王道感のある"完熟宣言"、Negicco提供曲のセルフカバー"She's Gone"あたりが良かったです

 

重力と呼吸 / Mr.Children

完全なセルフプロデュースになりアレンジが粗くなったのが功を奏したのかメロディに軽やかさが戻ってきたのが良かったです。歌詞は世間に合わせて分かりやすくしたそうですが曲に乗り切れてなかったり妙にダサいのが多く、昔は難解な表現無しでもシンプルな情景描写に感情を重ねるのが上手かったはずなのに…と微妙な気持ちになってしまいます

 

THE STRAIGHT LIGHT / Tokyo 7th Sisters

アルバムも良かったんですが特に"星屑シーカー"と"プレシャス・セトラ"が自分にとって決定的な曲かなと再認識しました。歌詞中で突然"この星"みたいなマクロな視点へ至るのに弱いんですよね…

 

NOW PLAYING / AL

未だにandymoriの1stと2ndに固執している人間なのでそれ以降の小山田のキャリアに対しては微妙な距離を感じ続けていたのですが、今作はその頃の性急さはなくても同じ匂いを感じる曲が多くて良かったです

 

〇旧譜

My Lost City / cero (2012)

新譜が盛り上がってるのに今更で恥ずかしいですが…Obscure Rideからちゃんと聴き始めた身としては無邪気なフィッシュマンズの引用や全体通して感じる茶目っ気が新鮮でした。8月のTrafficで観た魔改造マイ・ロスト・シティーが今もって忘れ難いです

 

Suburban Baroque / カーネーション (2017)

振り幅が広くひねくれていた前作からややシンプルな音作りに戻ったことで風通しが良くなっており良かったです。相変わらず情けなくも前向きな歌詞が心に来ました

 

ラブレター / 3776 (2014)

ニューウェーヴテクノポップを取り入れたアイドルポップスと言えそうな感じですがルーツ的な部分は前面になくあくまでも何か変な曲という印象なのが良いです。全編通してギャングオブフォーみたいなギターカッティングとXTCみたいな捻れたメロディが良いんですが歌詞が泣ける"A∩B"あたりが好きです

 

MICROMAXIMUM / BACK DROP BOMB (2000)

リリース当時の日本のミクスチャーロック〜ハードコア周辺をあまり通っておらず他との比較ができないのですが、スカやレゲエも違和感なく取り入れられており音もヘヴィでなく独特の軽みがあって何回も聴きました

 

Daily Operation / Gang Starr (1992)

今年はヒップホップをいろいろ聴き始めていましたが今作はトラックが心地良かったのと派手じゃないがしっくり来るGuruのラップが良くフラットな気持ちで再生できるので愛聴していました

 

Labcabincalifornia / Pharcyde (1995)

前情報だと1stの方が気にいるかなと思ってましたが、ディラが手掛けた"Drop"にやられて聴き始めたこちらの方が好みでした。ジャケットのイメージ通りの内省的な曲が多いですがラップは楽しげで良いです

 

The Cribs / The Cribs (2004)

シンプルで荒い演奏にスイートなメロディが乗る音楽に抗えない身としては夢中にならざるを得ないという感じでした。昔から知ってはいたバンドだったのでもっと早く聴いていれば良かったですね…

 

〇曲

夏の天才 / SPANK HAPPY

マジで死ぬほど聴きました…最初は2期スパンクスから退廃や岩澤瞳のキャラクター性を抜いた感じに思えましたが小田朋美の貢献もあるのか単純にポップスとして素晴らしい曲になっており、歌詞も菊地っぽいフレーズを散りばめつつ再生産的な後ろ向きな出来になってなくて良いです

 

Spiky Seeds / the pillows

フリクリ新作はよく言及した割に結局観ていないのですがこの曲は最近のピロウズでは会心の出来だと思います。 "進化しないまま 僕ら原点回帰の真っ最中"みたいなネガティブと開き直りが混ざった歌詞は山中にしか書けないね…という感じで良いです

 

なんだっけ? / 曽我部恵一

今年のサニーデイからソロに至るまでの気が狂ったようなリリースペースには若干引いていますが、この曲はシンプルなメロディと繰り返されるフレーズに詩情がありよく聴きました。映画の方も過去の若松作品含めて全然知らないので観ようと思います

 

ロープウェー / cero

今までceroの歌詞でピンと来る表現はそこまで無かったのですが、やがて人生は次のコーナーに…はそろそろ30に差し掛かる身としてはかなり心に迫るものがありました

 

Kawaii make MY day! / 中野有香(CV.下地紫野), 水本ゆかり(CV.藤田茜), 椎名法子(CV.都丸ちよ)

今やアイドルマスターシンデレラガールズの新曲を聴くのは大量に流れ込んでくる土砂の中から自分好みの綺麗な石を探す作業のようになりつつあり、1年経ってからようやくリリースされたこの曲も聴くたびに前はリトルリドルやイリュージョニスタ!などのゲーム内リリースに歓喜してたな〜と思い出してしまいなかなか寂しい気持ちになります

 

adrenaline!!! / TrySail

終わりだよ〜